「無料入れ歯相談会」やってます!
「入れ歯相談会、一体どんな様子なのかしら・・・」
百聞は一見に如かず!現場の様子を取材しました!

近藤義歯研究所という入れ歯専門の技工所から、入れ歯カウンセラーの清水さんが来てくださいました。
入れ歯のお困りごとをお聞かせください。
何が出来るか相談させていただきたい。

本田先生
清水と申します、よろしくお願いいたします。

清水

患者さん
上は合っているけど、下は合わない、浮いちゃうんですよ。
○○大学の歯医者に通っていました。
どれくらい前から通っています?


2~3年通っていたの。

痛みはありますか?


1か月前に作ったやつだけど、これは痛いです。
ベロをアッカンベーしてください・・・浮いちゃうんですね。
Aさんの骨の状態を知りたいので、レントゲンを撮っていいでしょうか?
(レントゲンを撮りに行く→画像を見ながら)


両目がここですね、鼻がここのあたり、口はこの当たりです、耳はこの当たりです。
白く見えるのがアゴの骨ですね。
上アゴも下アゴも、アゴの骨がかなり薄くなっています。
入れ歯は、骨の上に乗っていることで安定するのですが、骨がなくなっているので安定が難しい。
入れ歯を拝見したのですが、噛み合わせが合っていないところがある。
噛もうと思ってもうまく噛めないと思うし、痛いところもあると思います。


痛いです、ご飯を食べる時にものがつまります。
Aさんの場合は、骨の痩せ方の条件がすごく難しいんです。
痩せている骨の下にある神経があってすぐ触れるから、痛みがあるんです。


確かに。
入れ歯を入れただけでも痛いので、新しいのを作ってもらうと思ってきました。
分かりました、じゃあそのお話をしましょう。
入れ歯を何個も作っても、型の取り方が合ってないとこっちもダメあっちもダメとなっちゃうんです。
Aさんご自身の頬っぺたの筋肉の動きに合わせることが大事なんですけれど、取り方がすごく難しいんですよ。
頬の内側や唇の筋肉に動かされないことが型取りでは大事なんですが、この型を取るのも難しくて1回では難しいんです。
硬いものも食べられていないですかね。


食べられていないです。
そういうことを考えると、入れ歯を2回3回作らないと難しいと思います。
お時間も掛かりますし、通うのも月に2回3回となって大変だと思うのですがその辺は大丈夫ですかね。


通います。
食べているものが軟らかいものばかりと問診票で教えてくださったんですけれど、お食事の事をもう少し聞かせてください。
これ見えます?
ひとつずつ枠があります、左が柔らかいもので右に行くと固いものになってきます。
プリンや豆腐、その次が麺類、お肉、根菜類、果物やたくあん。



ここら辺(麺類)まで。
せんべいは食べない、から揚げは小さくして食べる。
お魚とか麺類は食べられますか?


うんうん。
おせんべいは、入れ歯になって食べなくなったのか、もともと食べなかったのか、どちらですか?


入れ歯になって食べなくなりました。
じゃあ食べられるようになったらいいですね。
入れ歯でも、リンゴが食べられるようになったらいいですね。
全部食べられると100点満点になる表なんですけれど、今はおよそ全部足すと半分以下です。
Aさんが今現在、楽しんでお食事が出来ているかどうかを聞きたかったんです。
いま30点くらいかなと思います。


お肉やおせんべい、食べたい。
リンゴは好きだけど食べられない。
秋にはカキがおいしいですね。ブドウは食べられます?


ブドウは食べられます。
リンゴ、お肉、食べられるようになるといいですね。
入れ歯は噛むための「道具」なので、治療をしていきましょう。
治療して70点になってリンゴやおせんべいが食べられるようになるのは治療ですから、それを治療の目的にしましょう。
治療の事、詳しくお話ししていきます。
歯は、上の歯と下の歯、お互い支え合っている「コンビ」なんです。
ダンスは相手がいないと踊れない、それと一緒です。
靴も、右だけ新しくして左は古いままということはないですよね。
入れ歯も一緒で、上だけとか下だけという使い方は基本しないです。
新しく道具を作る場合は、上と下、一緒になります。
今度は上と下がしっかり噛み合うように作っていきましょう。
それが治療の方向性です。
足の手術をされたとのことですが、動けるようになるまで病院でリハビリもされました?


はい。
実は入れ歯を動かすのも筋肉ですから、入れ歯をちゃんと使えるようになるために、入れ歯にもリハビリがあります。
だから今Aさんの入れ歯をパッと作るんじゃなくて、周りにある筋肉を整えるためのリハビリ期間が必要なんです。
そうするとAさんの口の周りの筋肉が味方になってくれて、入れ歯を上手に使えるようになってきます。
例えば、足の手術は大成功でもリハビリをしなかったら動かなくなるじゃないですか。
それと一緒で、どんなにいい入れ歯を作っても筋肉をリハビリしないと使えるようにはならないんですね。
ぐっと噛む力がつくと、違うところに負担が掛かります。
骨の下にある神経に負荷が掛かるので、一時的に痛みが掛かります。
今までの入れ歯はうまく噛めないから痛みが少なかったんです。
治療は大変ですけれど、Aさんが一緒に乗り越えられるなら私たちは先生と全力でサポートしていきますから。
今は内臓で心配なことはないですか?


噛むのがあれだから、便通が・・・。
胃に負担がかかるんですね、うまく噛めないと。
胃は「第一消化器官」といわれていて、口で最初に食べ物をドロドロにして、胃の胃酸で溶かせるように口でしっかり咀嚼(そしゃく)をします。
噛めるようになると、栄養吸収が腸に回ってお通じがよくなったりします。
そういったためにも、噛めるようにならないと負担が大きいままなのでね。
まずは、入れ歯という道具を新しくしてリハビリテーションしていきたいんですが、かなり精密に入れ歯を作っていきます。
足のリハビリをするのに履いた靴がガタガタだったり緩かったりしたら、歩くリハビリが出来ないじゃないですか。
歩くリハビリをするためには、足にフィットした靴を履きましたでしょう?
入れ歯も一緒で、噛めるようになるためにはAさんの体にピッタリ合わせた入れ歯をオーダーメイドで作る必要があります。
ちょっと保険診療では賄えないので、自費診療でやるご費用が掛かるので説明します。
これが噛み合わせの筋肉を取り戻すリハビリの入れ歯です。
持ってみてください。
(リハビリ入れ歯を)透明にしているのは、筋肉の動きが見えるようにするためです。
これは、先生が治療中に筋肉の変化が見えるために透明にしてあるんです。


この入れ歯を作って入れて、約半年後に状態がよくなったら最終的な入れ歯を作っていきます。
私の腕、ぎゅっと力を入れると形が変わります。
Aさんの口の中も、しっかり噛めるようになってくるとお口の中の形が変わってきます。
そうなってからリハビリは卒業です。
足も手術終わって歩けるようになるまで、時間が掛かりましたでしょう?
リハビリしました?


2年くらいかな?
ああ、それは大変でしたね・・・。
だから本当は歯も1年とか掛かるんですよ。
噛む位置がずれたままで入れ歯を作ると何度作っても一緒なので時間を掛けてしっかりやりましょう。
気持ち的にどうでしょうか?


お願いします。
実は、右の耳があまり聞こえない・・・。
今くらいの声の大きさなら聞こえます?



大丈夫です。
私の親もね、補聴器を付けていますけど、煩わしいとあまりつけないです。
テレビの音なんて爆音ですよ、ビックリするくらい。(笑)

取材後記
入れ歯カウンセラーさんだけでなく、先生も立ち会っての相談会でした。
2人とも、声が大きくて聞き取りやすかったことが印象的でした。
通院回数を減らすために、大まかな型取りをした時「あと何分ですよ」と先生がお話ししてくれ、患者さんの気持ちがよく分かってるなと感じました。
また、入れ歯カウンセラーさんもお耳が遠い患者さんととても近い距離で話していました。
近い距離での会話も厭わないし、物理的にも気持ち的にも寄り添っている現場を目の当たりにし、グッときました。
入れ歯カウンセラーの清水さんにインタビューした際、どうして近藤義歯で働き始めたかと「社長にうちは患者さんを救っているんだよ」といわれて即決めたという話を思い出しました。
「魂が入っている入れ歯」と本多先生がインタビューでお話ししていましたが、「本多先生は、私達の思いを形にしてくれています」と清水さんの言葉が印象的でした。
先生も、入れ歯カウンセラーさんが話している間、熱心にメモを取られていました。
患者さんがよくなることを一生懸命考えている、それは間違いないと感じました。